2019年1月24日(木)の日本株式市場の動向まとめ

日経平均株価は小幅で3日続落
本日の東京株式市場は19.09円安い20,574.63円で取引を終えました。東証1部の売買代金も4日連続での2兆円割れで市場やネット上では「閑散」という声が多く個人投資家達の悲鳴が聞こえていました。
前日の米国指数は下記表の通りでNYダウとS&P500共に上昇。S&P500に至っては前日比5.8%の上昇と大きく値を上げました。ただ米国指数の上昇が目立つのは一部の好決算銘柄の影響で全体としては方向感なく横ばいといったところ。
個別銘柄では、住友重機械工業<6302>が続落しました。同社は24日にグループ会社の不適切な検査をきっかけに全社的に品質管理調査を進めていたところ、プラスチック機械事業部と連結子会社の3社で不適切な検査が行われていたことが新たに判明したと発表しました。これを受けて市場や一部ネット上では「業績に大きな影響があるのではないか?」との声が漏れ後場には株価は一時3515円まで下落したものの大引け付近で値を少し戻しました。
東証1部の騰落数は値上がり1419銘柄、値下がり624銘柄、変わらずが84銘柄でした。
新興市場が強い!
日経JASDAQ平均は4日ぶりに反発し前日比+0.65%で取引を終えました。一方東証マザーズ指数は本日も上昇、続伸しました。日経平均株価が閑散とした商いの中で新興市場に資金が流入している印象を受けます。
前日好調だったUUUM<3990>は本日小幅下落となったものの寄付はギャップアップで始まっており、後場には力強く反発したところを見ればまだ失速とは言い切れない印象を受けました。
セクター別では以下の通り。
値上がり | ポイント | 上昇率 |
1.証券業 | 339 | +1.61% |
2.金属製品 | 1053 | +1.41% |
3.銀行業 | 156 | +1.06% |
続いて値下がり率トップ3です。
値下がり | ポイント | 上昇率 |
1.陸運業 | 2246 | -0.72% |
2.食料品 | 1776 | -0.35% |
3.電気ガス | 505 | -0.32% |
海外市場指数一覧
指数 | 価格 | 前日終値 | 前日比 | 52週高値 | 52週安値 |
NYダウ | 24575.62 | +171.14 | +0.7% | 26951.81 | 21712.53 |
S&P500 | 2638.70 | +5.80 | +5.80% | 2940.91 | 2346.58 |
英FTSETM100 | 6842.88 | -58.51 | -0.85% | 7001.94 | 6599.48 |
香港ハンセン | 27090.86 | +82.66 | +0.25% | 27323.61 | 24896.87 |
上海総合指数 | 2592.09 | +11.34 | +0.40% | 2618.98 | 2440.91 |
FTSE中国 | 18376.68 | +17.95 | +0.10% | 18552.45 | 17124.49 |
台湾加権指数 | 9877.12 | +30.72 | +0.31% | 11270.18 | 9319.28 |
WTI原油先物 | 52.39 | -0.23 | -0.44% | — | — |
※アジア市場は日本市場の取引終了時点での価格の為目安としてお考え下さい。
米国市場
前日引け後のIBMや本日のP&G、United Technologiesの好決算3銘柄だけでNYダウの上昇のほとんどを占めていました。一方で大統領経済諮問委員会のケビン・ハセット委員長が「政府閉鎖が3月末まで続けば、1-3月(第1四半期)の経済成長がゼロになる可能性がある。」との発言をしたとBloombergが報じました。
その一方で閉鎖がいったん解除されれば、その後はとてつもなく高い成長がやってくるとの見方も示しました。しかし市場ではこれをリスクと捉えマイナス圏で推移しましたが、NY時間で16時を間近に控えた時点ではプラスに転じる場面もありました。
アメリカメディアのCNNがケビン・ハセット委員長にインタビューで「政府機関閉鎖により米国がゼロ成長になる可能性はあり得るのか?」と質問されその解答に「閉鎖期間が第1四半期全てに及べば、その可能性はある。」と答えています。
またJPMorgan Chaseの最高経営責任者(CEO)ダイモン氏は「アメリカ経済を船に例えるとGDP成長率2~2.5%で操業停止しようとしている」と発言しました。これを受けてアメリカ全土の経済失速や景気後退も有り得るとCNBCテレビが報じています。
イギリスのEU離脱問題やFRBの金融政策、米中の貿易摩擦問題の影響などをリスクとして警鐘を鳴らしました。一方で「政治が機能すればGDP成長率が3%まで上昇する」との見方も示しており間接的にトランプ大統領に苦言を呈した形となった模様。
本日の米国決算銘柄
P&G 10-12月期決算
売上高:174億3800万ドル(0.2%の上昇)
1株利益:1ドル25セント(予想を上回る)
純利益:31億9400万ドル(28%の上昇)
主力のカミソリ製品は不調でしたがスキンケア商品は好調で売上高と1株利益が市場予想を上回りました。純利益に関しては28%の大幅上昇となり投資家達の関心を誘いました。更に同社は2019年の実質売上高を2~4%の上昇を目指す(従来2~3%)としています。
欧州市場
欧州の航空機メーカーであるAirbusの最高経営責任者(CEO)トーマス・エンダースはEU離脱問題について≪合意なき離脱≫となる場合は、「将来の投資をイギリス以外に移さざるを得ない可能性がある。」と発言。これに対し離脱推進派は「正気を失っている」と非難しました。
これを受けてか欧州市場は揃って下落。イギリス市場は上記表通りだがDAXドイツやMIBイタリアも小幅ながら下落しています。
1月24日のマーケットレポートは以上です。