FX

移動平均線の使いこなすコツとは?基本を徹底解説!

移動平均線は投資の世界において最もメジャーなテクニカルです。チャートに必ず表示されるといって良いほどお馴染みでその使い方はトレーダーごとに違いますが相場の環境認識から、エントリーポイントとイグジットポイントの判断までマルチに使うことができます。知っているようで知られていない移動平均線の使いこなすコツを解説します。

  1. 移動平均とは何か
    1. 移動平均のイメージ
    2. 移動平均の意味するもの
    3. 移動平均の考え方による違い
    4. 移動平均で対応できないケース
  2. 移動平均線の使い方の基本
    1. メジャーな移動平均線をチャートに全て表示する
    2. すべてのトレーダーの目線を得る
    3. 綺麗かそうでないかで勝てる相場を区別する
    4. 押し目買い、戻り売りのポイントを探す
  3. まとめ

移動平均とは何か

時間とともに変動するデータの代表値を把握する際によく用いられるのが平均値です。この平均値の数値は平均をとるデータの時間の範囲によって変わってきますが、このデータの時間幅は一定として、同じ幅ずつ過去から現在まで時間の経過ごとに逐次平均値を計算することで求めることができるのが移動平均です。

移動平均のイメージ

移動平均のイメージを図で表すと上図のような感じになります。時間の経過と共に価格が変動するとした場合にヨコ軸に時間、タテ軸に価格をとって折れ線グラフでその動きを追跡するとします。

平均をとる時間の幅はそれぞれT1、T2、T3としてその幅における平均価格がそれぞれAve1、Ave2、Ave3となります。Ave1、Ave2、Ave3がそれぞれT1、T2、T3に対応した価格における移動平均です。

投資で用いる移動平均ではT1、T2、T3は同じ幅をとります。幅が広くなれば移動平均同士を結んだ移動平均線は水平線に近い形状となり、幅が狭くなれば山と谷が不規則に現れる元データのバラツキを近似したギザギザ形状になっていきます。

移動平均の意味するもの

移動平均の移動という意味には時系列に従っているニュアンスが含まれます。時系列とは過去から現時点までの時間軸のことで、時間の経過とともに平均値自体の変化がどう推移したかを分析できる点に大きな意味があります。

データそのものと移動平均の間の乖離がプラスなのかマイナスなのかを調べることで、時間の経過とともに価格が上昇しているのか、それとも価格が下落しているのかを知ることができます。

トレードする人はデータそのものと移動平均の間の乖離がプラスであれば時間の経過とともに価格が上昇していると判断して買い目線で相場を見ていればいいですし、移動平均の間の乖離がマイナスであれば時間の経過とともに価格が下落していると判断して売り目線で相場を見ていればいいわけです。

移動平均の考え方による違い

移動平均の計算値に影響を及ぼす要素として、平均をとる時間の幅と平均値の元となるデータの比重のバランスがあります。データの比重のバランスは通常の場合はデータごとに差をつけずに均一とするのが基本です。

しかし時系列で見た場合にあえて現時点に近いデータを重視する場合は、データの比重のバランスは現時点に近いデータに高い係数を乗じ、現時点から過去に向かって順次低い係数となるように比重のバランスをとる場合があります。

例えば10個のデータがあるとすれば平均値を算出する際に各データの全体に占める比重はそれぞれ10%ずつと均等にするのが基本ですが、あえて現時点に近い順に例えば37%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%としてトータルで100%となるように比重を変化させて平均値を計算させることもできます。

比重を変化させて平均値を計算させることで比重の高いデータの影響が全体の平均値により反映されることになります。現時点に近いデータに高い比重をおいて平均を計算すれば現時点のデータの数字により近い結果の平均となり直近の変化に敏感に反応する特徴を有する移動平均となります。

移動平均で対応できないケース

移動平均は中長期の傾向を分析する上でとても優れた手法です。しかし短期的かつ突発的な変化に対しては平均値とのズレが大きくなり、傾向分析としての精度は低いものになります。

投資の際に相場環境によって価格が急変することは往々にしてあります。投資家心理が不安定で相場として値動きに方向性がない状況では移動平均では正しく相場の分析を行えないことがあります。

また相場の反転は移動平均の苦手とする局面で、反転が頻発する相場では負けトレードが多くなります。こうした相場では移動平均に加えて、相場のプライスアクションにも注目してトレードする必要があります。

具体的にはトレードに参加している人の多くが考える最高値と最安値の範囲、売りたい人や買いたい人が極端に増える節目となる価格、キリ番と呼ばれる価格などを意識してトレードを慎重に行うことが必要です。

移動平均線の使い方の基本

移動平均線の使い方の基本としては、移動平均線を使った相場環境分析、および複数の異なる時間幅の移動平均線の関係性を使ったエントリーポイントとイグジットポイントの絞り込みなどが挙げられます。

メジャーな移動平均線をチャートに全て表示する

移動平均線のうちでメジャーとされているのが、平均をとる時間の幅を20、75、200などある程度決まった数字としたものとなります。短い時間幅の移動平均線はエントリーポイントとイグジットポイントの絞り込みに、中長期の時間幅の移動平均線はトレンド転換のサインとして用いる為に表示しているトレーダーが多いと言われています。

使うチャートの時間足によって、例えば平均をとる時間の幅20の一つにしてもローソク足との位置関係に違いがありますが、例えば15分足チャートに1時間足における平均をとる時間の幅を20とした移動平均線、4時間足における平均をとる時間の幅を20とした移動平均線を同時に表示したい場合、次のようにすれば表示できます。

・1時間足における平均をとる時間の幅を20とした移動平均線:20×(60分÷15分)=80

・4時間足における平均をとる時間の幅を20とした移動平均線:20×(240分÷15分)=320

つまり、15分足チャートに1時間足における平均をとる時間の幅を20とした移動平均線を表示させるには、15分足で平均をとる時間の幅を80とした移動平均線を表示させればよいし、4時間足における平均をとる時間の幅を20とした移動平均線を表示させるには、15分足で平均をとる時間の幅を320とした移動平均線を表示させればよいのです。

すべてのトレーダーの目線を得る

平均をとる時間の幅を20とした移動平均線は15分足を使った短期足をメインとするトレーダー、1時間足を使った中期足をメインとするトレーダー、そして4時間足を使った長期足をメインとするトレーダーはまず間違いなくチェックしています。

15分足チャートでトレードする場合、平均をとる時間の幅を20とした移動平均線と平均をとる時間の幅を80とした移動平均線、そして平均をとる時間の幅を320とした移動平均線を表示させれば、短期足をメインとするトレーダーから長期足をメインとするトレーダーまでの目線を得られることになります。

綺麗かそうでないかで勝てる相場を区別する

一般に時間の幅を20とした移動平均線は時間の幅を80とした移動平均線より反応が早く、傾きが急になります。また時間の幅を80とした移動平均線は時間の幅を320とした移動平均線より反応が早く、傾きが急になります。

強い上昇トレンドが生じている相場環境では上から順にローソク足、時間の幅を20とした移動平均線、時間の幅を80とした移動平均線そして時間の幅を320とした移動平均線が右肩上がりに綺麗に並びます。これはローソク足、短期の移動平均線、中期の移動平均線そして長期の移動平均線の順で反応が早く、傾きが急となるからです。

また強い下落トレンドが生じている相場環境では上から順に時間の幅を320とした移動平均線、時間の幅を80とした移動平均線そして時間の幅を20とした移動平均線、ローソク足、が右肩下がりに綺麗に並びます。

ローソク足と短期から長期までの移動平均線が綺麗に並ぶ相場環境はトレンドが強くトレードを有利に進めやすい相場環境で、パーフェクトオーダーと呼ばれる相場状況になります。他方、方向性のない持ち合い相場ではローソク足と短期から長期までの移動平均線が綺麗に並ぶことはなく、複雑に交錯した綺麗ではないチャートになることが多いです。

移動平均線の平均をとる時間幅を短期から長期まで変化させて複数表示させ、その並びを確認して綺麗なチャートかそうでないかでトレードして勝てる可能性が高い相場環境かそうでないかを一目で判断することができるようになります。

押し目買い、戻り売りのポイントを探す

移動平均線は相場環境分析、特にトレンドの有無を一目で判別できる強力なツールになります。そのことに加えてトレンドフォローに必要な押し目買い、戻り売りのポイントを分析も可能で、そうした分析の結果によりエントリーポイントとイグジットポイントの絞り込みがしやすくなります。

15分足チャートでトレードする場合、平均をとる時間の幅を20とした移動平均線と平均をとる時間の幅を80とした移動平均線、そして平均をとる時間の幅を320とした移動平均線を表示し、短期から長期まで全てのトレーダーの目線を得た上で、その移動平均線同士の並びを確認します。

強い上昇トレンドが生じている相場環境では上から順にローソク足、時間の幅を20とした移動平均線、時間の幅を80とした移動平均線そして時間の幅を320とした移動平均線が右肩上がりに綺麗に並びますし、強い下落トレンドが生じている相場環境では上から順に時間の幅を320とした移動平均線、時間の幅を80とした移動平均線そして時間の幅を20とした移動平均線、ローソク足、が右肩下がりに綺麗に並びます。

チャートが綺麗であることを確認し、強い上昇トレンドが生じている相場環境では時間の幅が短い移動平均線は時間の幅が長い移動平均線より反応が早く、傾きが急になることを利用して押し目を探します。反応が遅く傾きがより水平に近い時間の幅が長い移動平均線に対して上から突き刺さるように谷型に折れる時間の幅が短い移動平均線が現れる場所が強い上昇トレンド中の押し目で、押し目買いが狙えるエントリーポイントです。

強い下落トレンドが生じている相場環境では反応が遅く傾きがより水平に近い時間の幅が長い移動平均線に対して下から山型に突き上げるように短い移動平均線が現れる場所が強い下落トレンド中の戻りで、戻り売りが狙えるエントリーポイントです。

まとめ

移動平均線はトレードが上手な人ほど使いこなしが優れているテクニカルの一つです。マクロな使い方としては相場環境の分析、ミクロな使い方としては特殊な仕様にすることでエントリーポイントとイグジットポイントの絞り込みまで使えるポテンシャルを秘めています。

投資には様々なテクニカルが開発され、すでにチャートに沢山表示している方もおられると思いますが、移動平均線はローソク足とともに最も基本かつ奥深いテクニカルで、傾向分析を移動平均線、プライスアクション分析をローソク足でそれぞれ分担させて行うことで、この二つのテクニカルだけで十分相場で勝つことができると言われています。

合わせて読みたい