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「DD方式は本当に不利なのか?」

FXを楽しむ場合に、そのプラットフォームを提供してもらためにもどこかの「FX会社」と称される会社に口座を開いてお金を入金する必要があります。FX会社を選定する場合に色々な比較項目がありますが、「DD方式・NDD方式」という違いも最近では注目されるようになってきました。

一般的に「DD方式を採用しているFX会社はトレーダーに不利」と解説される場合が多いのですが、本当にDD方式採用のFX会社はトレーダーにとって「選択すべき会社」ではないのでしょうか? 検証してみましょう。

  1. DD方式とNDD方式
    1. DD方式
    2. NDD方式
  2. 「客の損はFX会社の儲け」は本当か?
    1. 「客の損」はFX会社の儲けになるのか?
  3. NDD方式の儲けはどこから
  4. トレーダーにとって必要なプラットフォーム
  5. 常に複数のチャートを確認すること
  6. トレーダーにとって必要なプラットフォーム

DD方式とNDD方式

〇トレーダーとインターバンク市場、その間に存在するもの。

私たちトレーダーが通貨の交換レートが上下する相場でトレードを楽しむ場合、一般的には「FX取引」をすることになります。明確に「証券取引所」という場が存在する株の売買と違い、通貨の場合は明確な取引所が存在しません。

通貨の場合「インターバンク市場」と呼ばれる市場がメインの取引の場となりますが、どこかの国に建物などがあるわけではなく、限られた金融機関が特別なネットで接続された電脳空間に存在するのがインターバンク市場です。

一般の人達(特殊な金融機関に属しているとか、ファンドの社員とかではないという意で)が直接インターバンク市場で通貨の取引をしようと思ってももちろんできません。

私たち一般人が通貨の取引をするFXを楽しむ場合は、私たちにそのプラットフォームを提供してくれるFX会社と契約し口座を開くしかその方法はありません

では、そのFX会社はインターバンク市場に直接つながっているのでしょうか? 残念ながら否です。FX会社のHP(ホームページ)などを見ると「豊富なカバー先」などのような文言が書かれています。この「カバー先」というのが、FX会社とインターバンク市場を仲介する特別な金融機関です。

FX会社がDD方式かNDD方式などにかかわらず、上図のように投資家とインターバンク市場の間に存在する物は同じです。

DD方式

FX会社は、客からの注文を受け付けるとともにそれらを上流であるカバー先に投げます。これはどの会社でも同じなのですが、注文のさばき方に違いがあります。

「DD方式」は「Dealing Desk方式」の略です。ディーリング・ディスクとは、FX会社内に注文をさばくディーラーが存在しており(人間である必要はなく、システム上のプログラムである場合もある)客からの注文を単に上流に投げるのではなく、FX会社がいったんすべてを飲み込んである特定の処理をした後に上流に投げるような方式です。

多くのFX取引を解説しているようなページでは、「このDD方式はいったんFX会社内で客の注文をすべて飲む」という部分に不利益が発生すると言われていますが、その検証はもう少し後で説明します。

NDD方式

「NDD方式」は、上記DD方式とは違いFX会社ないにディーリング・ディスクが存在しない方式です。客からの注文は逐一すべて上流のカバー先と言われる金融機関に投げられます。FX会社は単に注文を仲介するだけの存在ということになります。

「客の損はFX会社の儲け」は本当か?

〇FX会社の儲けのからくり

筆者も実際にFX会社に属しているわけではありせんので、これまでのFX経験から得た知識程度でしかありません。ということを前置きしてからの話になります。

FX会社の儲けは何処からくるのでしょうか?

  • 手数料
  • スプレット
  • スワップ取引

以上が主なFX会社の儲けの源泉になります。しかしFX会社間の競争により今や「手数料無料」は当たり前となってしまいました。残るはスプレッドとスワップ取引になります。

これらスプレッドとスワップについてはFX会社を選定する場合に注目されるポイントですが、各社で差があります。FX会社間で違いがあるということは、「何で儲けるか」というFX会社毎の経営方針での違いを表しているということです。

スプレッドは、ある瞬間における買値と売値の差のことですが、このスプレッドの値付けにFX会社各社の儲けの秘密が隠されています。

DD方式であれ、NDD方式であれ、FX会社は上流のカバー先から値の提示を受け、それに何らかの計算を加えたうえで私たち一般のトレーダーに値を提示しています。

FX会社として今や手数料はもらえませんから、他のFX会社と競争をしつつもこのスプレッドの値付けに儲けを考慮していることは明らかです。客からの注文を裁きつつ、他のFX会社と競争をしつつ、しかし儲けを出す。この離れ業をやってのけているのがディーラーという存在です。

スワップ・ポイントについても意外に大きな差があります。このスワップ・ポイントの元となるのは各国の金利差であり、FX会社には関係のない数値が大元にあるわけですが、FX会社間で差があるということは、スワップ・ポイントの値付けにそれぞれの会社で方針が違います。

スワップ・ポイントで儲けようとする会社と、そこは頑張って他で儲けを出す会社が存在するということになります。

「客の損」はFX会社の儲けになるのか?

「客の損」がどこに消えていくのか、この辺が「DD方式はトレーダーに不利」と言われる一番の所以です。

例えば、DD方式で客からの注文を一旦はすべて飲み込んでしまうFX会社の場合、上流のカバー先に一切注文を投げないとすると、客の損はそのままFX会社の利益となります。客が儲かるとFX会社は損をすることになり、FX会社とトレーダーは「利益相反の関係にある」ということになります。

もし本当にFX会社がトレーダーの損を狙っているとしたら、確かにDD方式のFX会社と契約するのは危険と言えるでしょう。

しかし、色々と怪しいFX会社が乱立していた第1次FXブームの頃とかであれば、本当にそのような構図で儲けている会社があったかもしれませんが、その後の過当競争を乗り越え、怪しい値を付ければすぐにネット上で晒される環境に耐えてきたFX会社に「客の損がわが社の儲け」とするあまりにも脆弱なビジネスモデルで営業しているところはないでしょう。

FX会社の儲けの源泉は、先にも書いたようにスプレッドやスワップの値付けの部分と、客からの注文をどのように捌くかにあります。そのノウハウが各社の秘中の秘なのではないでしょうか?

NDD方式の儲けはどこから

DD方式は上記した「客の損がFX会社の儲け」という部分が注目されネガティブキャンペーンをはられてしまうのですが、NDD方式の儲けのカラクリが問題視されることはあまりありません。が、NDD方式の儲けはどこからくるのでしょう。

NDD方式を採用している会社でも「手数料無料」は当たり前ですから、やはりスプレッドとスワップでしかありません。

「NDD方式は注文をそのままインターバンク市場に流す」からといって、決してトレーダーに有利とはいえません。注文をすべて飲み込んでトレーダーに不利な値付けをする怪しいFX会社がまだあったとしたら、確かにNDD方式の方が良いように見えます。

しかし、インターバンク市場での値のままトレーダーに値を提示し、トレーダー側からの注文を仲介するだけのNDD方式を採用している会社は、ではどこで儲けているのでしょうか?これが議論されていないのは不思議な感じがします。

NDD会社といえどもスプレッドもスワップも各社で違いがあります。やはりスプレッドの値付けに儲けを含まなければ、億単位の金のかかるシステムを維持していくことすら難しいでしょう。

トレーダーにとって必要なプラットフォーム

〇DDかNDDかは重要ではない。

ここまで見てきたように、DD方式であれ、NDD方式であれ、儲けはスプレッドとスワップの値付けにしかありません。DD方式の場合はさらに注文の捌き方で利益を出すことが可能かもしれませんが。

チャートの値動きが怪しい会社があるとすると、確かにそういう会社と契約する必要はありませんが、値動きが怪しいかどうかは方式に関係なくトレーダー側の厳しい目でチェックする必要があります。

時々、特定のFX会社だけ飛びぬけた値を付けて事件になることもありますが、NDDと言えども利益を追求する民間企業ですから、どこかに儲けのカラクリが隠されています。DDを擁護するわけではありませんが、NDDの方がその儲けのからくりが分かりにくいように私には見えます。結局のところDDかNDDかというポイントは、どちらにしても怪しい会社は怪しいことをできる余地はあるのでその部分で比較しても意味のないものではないでしょうか。

常に複数のチャートを確認すること

DDかNDDかに限らず、時々FX会社は怪しい値を付けることがあります。DD方式がよく「トレーダーに不利な値を付ける」と言われますが、そもそもトレーダーに不利な値ってどのようなものなのでしょうか?

 NDDが絶対的に信頼できると思っていない私の場合、どちらも怪しいことをできる余地はあります。例えば110.00というラインに多くの損切注文が並んでいる場合、110.15などのようにあと少しでそのデッドラインに達するという瞬間、FX会社が値をちょっと操作するということがあった場合、そんな会社とは取引しない方が良い。

そういう会社であるかどうかは、常に複数のFX会社のチャートをチェックすることである程度回避できます。多くのFX会社と契約する必要はなく、契約しなくてもFX会社のHP上で現在の値を確認できるFX会社は多く存在します。

FX会社の値動きを監視する行為はある意味トレーダー側の義務と言って良いでしょう。

トレーダーにとって必要なプラットフォーム

真っ当な値を提示してくれて、トレーダーのスタイルに適したシステムがあり、約定率が高い会社であるなら、DDでもNDDでも関係はありません。

一般にDD方式の方がスプレッドが狭いと言われます。それは、FX会社の企業努力でスプレッドを狭めることに成功した、と私なら見ます。海外の多くのFX会社がNDD方式であり、NDD方式の方が世界的にスタンダードと言われておりますが、真っ当な根を提示してなおかつスプレッドが狭いDD方式であるなら、日本の多くのFX会社は、世界においても優秀な会社であると言えるのではないでしょうか?

そういう、優良な会社であるかどうかをどのように評価するか、その目を養うのもトレーダー側の責任と言えるでしょう。

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