株式投資

オプション取引でデルタを使って、リスク管理を行う

オプション価格を予測する

デルタは、市場の値動きに対して連動するオプション価格の変動率を言います。コールオプションでは、0~1の数値で表示されます。0.5の状態がATMとなり、そこから1に近づくにつれてITMに。0に近づくにつれてOTMへと変化します。一方、プットオプションの場合は-1~0の数値で表示され、-0.5がATMです。0に近づくにつれてITMとなり、-1に近づくにつれてOTMへと変化します。デルタの数値が高いと原資産価格の値動きに対して大きく反応しますが、デルタの数値が低いとあまり変動しません。

SBI証券 投資情報より ※口座開設後に閲覧可能

上記画像では日経225オプションを対象としたものを表示。この時点での先物価格は22,570円です。ここでコール側のデルタの数値と権利行使価格の数値をみてください。

1番上から順にみていくと、デルタの数値は段々と大きくなっていくのが分かります。これは権利行使価格がATMである22,570円に近づくことが理由です。

これを使うことで先ほどのデルタの数値が低いことから先物価格が大きく変動してもあまり反応しないな。などと予想を立てるのです。

リスクを管理する

このデルタを使ってリスクを管理することが出来ます。リスクを管理するということは、どれくらいのリスクを取るかという点に繋がります。安全に投資を行おうと離れたOTMを売っていたのに実はもっと安全かつ利回りも高いオプションがあった。なんてことが防ぐことが出来ます。

これは10月12日終値時点での日経平均先物価格のチャートです。11日にはNYダウが1日における損失幅で過去3番目に大きな損失を出したことが日経平均株価にも大きなショックを与えました。これまで順調にトレンドを形成してブレイクアウト後に上昇したのに、これを戻す形になってしまいました。しかし長期移動平均線にはローソク足が乗っていることや12日はNYダウの続落があったものの、日経平均株価にはあまり影響を与えなかったこと、中国の輸出統計が底堅いことから中国経済と米国との貿易戦争を巡る懸念が和らいだことなどを理由にすると今後は上昇するか下落するか分からない。

こうした相場の行く末が分からない時に利用したいのが合成オプションのストラドルまたはストラングルによるショートポジションです。今回はショートストラドルによるオプション戦略をみていきます。

これはコールオプション24,000円とプットオプション20,000円を共にショートした場合の損益図です。両者の価格を合計すると、141(141,000)円です。ショートするのですぐに141,000円の利益が得られますが、デルタが-0.05とややマイナスにシフトしていることから先物価格が上昇した時と比較すると下落した時に比べて損失が早い。ストラドル戦略では相場の方向性が分からない場合に使用する為、もう少し0に近づけたいと考える。1ヶ月で3,000円近い下落は過去のデータをみてもリーマンショック級である(但し、下落率で考えると当時の日経平均株価と比べて現在の方がかなり高い為、そうでもない)為、もう少しプットの価格を上げてみることにしました。

下記画像は、プットオプションの価格を20,750円にしてショートストラドルを組むことでデルタの数値がかなり0に近づいたことが分かります。この時のプレミアムの価格合計は191円ですので、191,000円の利益を獲得することが出来ます。この時に必要な証拠金の量は371,700円ですので、相場がこのまま横ばい状態が続けば非常に大きな利益となります。(但し、ショートの場合は追証リスク等を考慮して必要証拠金の3~4倍程の金額を用意して余裕分をかなり見積もることをお勧めします)

この様に、中立ポジションを取りながら利益も増やすことが出来ました。このまま日経平均株価が11月のSQまで平坦状態であればいいのですが、どちらかに大きく上昇した際には損失を被ってしまう為、注意が必要です。より安全に収益を狙いたいという場合に必要なのは、IV(インプライド・ボラティリティ)の方が重要です。

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