株式投資

株を買う前に出来高をチェックすること

  1. 出来高とは
    1. 時間帯別出来高
    2. 下落時に出来た大きな出来高はチャンス?
    3. 価格帯別出来高を併用する

出来高とは

株式取引の売買が成立した量が出来高に蓄積されていきます。単純に出来高が多ければ多い程、取引量が活発であることを意味しています。その為、出来高が少ない銘柄の値動きは鈍く、あまり利益となる機会はありません。値動きが鈍いと、損失に落ち込んだ場合、値段が回復するまでの時間も長いです。これは機会損失ともいえるので、出来るだけ出来高が多い銘柄を選択することが第一前提です。

出来高の大小の基準は銘柄によって異なります。投資対象を決めたら過去のチャートを見てみましょう。期間を1~2年に拡大すれば出来高が盛り上がっている頃や全く無い時期など様々です。これを見てその株のだいたいの目安を想像するといいでしょう。筆者の場合は直近6ヶ月~1年で期間を広げてだいたいを把握し、1日の値幅がどれ程あるかを見ます。1日の値幅が±10tick前後だと中長期を意識した選定対象となります。

出来高はあまりチェックしない方が多い様にみえます。出来高よりも上のチャートばかりに目がいってしまいがちです。スキャルピングトレードやデイトレードでは特に1tickが重要になってくるので、「出来高まで見ていられない!」なんて方も多いはず。しかし出来高を見ることで、高値圏なのかが分かります。高値圏だと利益確定売りなどもあり下落する可能性の方が高いことや高値圏よりも下で買うことで利益を多く獲得できます。

出来高でチェックすべきポイントは2つです。実際はまだありますが、この2つに慣れれば出来高を一瞬見ただけで、その株が買いなのか?売りなのか?を、見極める1つの要素に出来るようになります。

時間帯別出来高

出来高には種類があって「時間帯別出来高」と「価格帯別出来高」の2種類があります。価格帯別出来高は対応している証券ツールと対応していない証券ツールがあります。SBI証券のHYPER SBIでもアプリだと価格帯別出来高は表示されますが、PC版だと見当たりません。その他、楽天証券やマネックス証券でも価格帯別出来高は対応しています。SBI証券のアプリは最近新しくなった為、もしかしたら近日中にPC版でも価格帯別出来高は実装されるかもしれません。機能性で言えばマネックス証券ですが、同社は上級者向けの証券ツールですので、見易さを取って楽天証券またはSBI証券のアプリがオススメです。

上記チャートでは、下の売買高(出来高)の上昇に伴いながら株価が上昇していることが分かります。出来高が順々に増えているということはそれだけ取引量が安定しているということを意味しています。次第に注目されている証拠です。ところが1つ前の出来高を下回ると、含み損を抱える人が出てくることになる為、下落傾向にあります。また更に次の出来事も下回り、これが計3回続くと多少の出来高減少でも株価は下落していく可能性が高くなります。

これは先ほどの続きですが、僅かながらの出来高減少を皮切りに下落局面へと転落しています。出来高とは売買が成立した際に増えるもの。買った人がどの位いるのか分かる為、非常に有効なツールといえます。

その他にも高値ブレイクという現象が株の世界にはあります。高値ブレイクとは、直近の高値よりも株価が上にいくことです。例えば2週間前に150円の値段を付けた株があり、130円まで落ち込んだとします。再び150円まで戻ってきたときに多くの個人投資家は150円を超えるかどうかを非常に意識します。

この時に、高値を超えることが出来れば高値ブレイクとなり、相場の強い上昇や企業成績の向上などの好感材料と共に株価は上昇傾向にあります。しかし、2週間前の高値を付けた際の出来高が通常よりも多い場合、高値ブレイクは簡単にはいきません。高値や高値付近で反落してしまうことも多く注意が必要です。

反対に、その出来高をも上回る出来高を集めて高値を迎えた場合は、2週間前に150円付近で買った人達にも含み益の期待が高まり上昇(高値突破)する可能性も高まります。但しここで高値ブレイクを起こさずに転落すると、2週間前に加えて、今回の取引で含み損となった人が加わることになります。こうなると、次の株価上昇に対する期待は少なくなってしまいます。

期間としては、自分自身のトレードスタイルを考えて、スキャルピングトレードやデイトレードであれば最低でもその日の当日分はみましょう。余裕があれば前日分も見てみると意外なヒントが発見できるかもしれません。

下落時に出来た大きな出来高はチャンス?

株価が上昇中に突如として急落した際や下落中に更に下落が加速した際に出来る比較的大きな出来高にはチャンスが潜んでいます。先ほどもありましたが、出来高は売買が成立したことで出来るものです。売った人もいれば、買った人もいます。150円で株を買った人が80円で売った場合、資産がほぼ半分となってしまったので頭を抱えるでしょうが、初めて80円で買った人にとって見れば、これまで150円だった株を半値近くで買えた為、多少反発するだけで利益になってくれます。

その為、株価は反発しやすいのです。下の図はこれまで出来高が少なかったものが突如これまでの数倍の出来高を付けて更に下落が加速しました。リアルタイムでこの場面に遭遇したホルダー達は「もっと暴落する」、「もうだめだ」と悲観するでしょう。ここで損切りに走る訳ですが、一端出来高の突出を確認したら、冷静に次のターンで株を買います。画像で十字カーソルが重なっている小さなローソク足の場面で買うことで、その後どのタイミングで決済しても利益になっていることが分かります。

リアルタイムで株価を眺めていると、出来高がどこまで上昇するかは判断できませんが、1度出来高が完成するのを待ってから落ち着いて取引すれば、損失リスクは減らしていくことが可能です。

時間帯別出来高はこうした使い方をすることで安易な取引を避けることが可能です。知っているのと知らないのでは全く異なった結果が生まれるのは当然のことです。

価格帯別出来高を併用する

出来高はいまお話した時間帯別出来高の他に、価格帯別出来高も存在します。価格帯別出来高とは、その名の通り、100円、110円などの個々の価格によってどれだけの取引量があったのかを調べることが出来る優れた分析アイテムです。

通常チャートに重ねる形で表示される為、移動平均線などが見えにくいとの理由で表示しない方も周囲には多いですが、これも時間帯別出来高同様に、大変便利なものなので積極的に使っていきましょう。

価格帯別出来高は、下の画像の中では、左側から出ている黄土色の横グラフです。この株は大きく上昇しているのが分かります。大きく上昇している部分よりも下の方がより横グラフの伸び率が高いのが見て分かります。400円~600円の価格帯で特に集中しています。これはどういったことを意味するかというと、現在含み益を抱えている個人投資家が多いことが分かります。一方で、見えにくいですが、最上左側に少し黄土色のグラフが伸びています。ここの価格帯で買った個人投資家は現在、含み損を抱えていますが、その数は少ないことから仮にこの人達が投げ売っても大きく下がることは無いと考えられます。その為、まだまだ上昇していくことが想定されます。これはテリロジー<3356>が924円(2018年8月頃)でしたが、現在は1900円以上にまで上昇しています。(2018年10月現在)

1,000円近い上昇になっています。過熱感から上がりすぎという印象を持ちますが、価格帯別出来高を見ると、含み益となっている方が大勢います。価格帯別出来高だけで見ればまだ上昇の余地があると判断し、売買の指標にすることが出来ます。

時間帯別出来高と価格帯別出来高を使えば「いつ」「どれだけの人が」「どの価格帯をどれだけ」売買したかが分かります。使うのと使わないのではどちらがいいのかハッキリしていると思います。是非、出来高を有効活用して、売買の役に立てましょう。

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