原油

原油取引のキーポイント「タイトオイル」

原油売買のカギとなるか

原油取引では買いはもちろん売りからも新規注文することが出来ます。原油価格がどのように構成されているのかを知れば今後上昇するのか下落するのかが分かると思いました。そこで原油価格の構成要素を調べていると度々登場するのがタイトオイルの存在です。原油取引において言えばこのタイトオイルの存在は無視することが出来ないと確信しています。

原油価格の推移を見てみると、2008年までは価格上昇の一途を辿っていましたがサブプライムローンやリーマンショックによって一時1バレルあたり147.27ドルあった原油価格が32.40ドルまで落ち込みました。

2011年には原油価格が1バレルあたり100ドル台を付けて一時114.15ドルまで上昇しましたがその後タイトオイルの増産化が成功したアメリカの影響を受けて下落。更に2014年にはその技術の向上により大きな原油価格の暴落を生んでいます。

タイトオイルとは

タイトオイルとは硬く採掘の困難な岩の中に含まれている原油の一種です。主にアメリカやカナダ国内で採掘が可能です。これまでは硬い岩から採取する技術がありませんでした。しかし採掘技術の向上や日を追うごとに上昇する原油価格の高騰を受け新しい代替エネルギーとして探し出されたものです。

厳密に言えばタイトオイルは「シェールオイル」と「タイトサンドオイル」の2つに分けられていますが、原油取引においてこの2つを分ける必要性がないのでタイトオイルだけを覚えればいいと思います。(タイトオイルについて調べるとシェールオイルがよく出てきます)

原油価格が下落

これまで技術的にも金銭的にも岩の中からタイトオイルを取り出すことが困難だった物がいまでは主流になりつつあるということ、そしてそれらはOPEC加盟国で生産されたものではなく、アメリカやカナダで生産されているということ。

これまでOPECは原油という資源を武器に大きな顔をしてきましたが、1番の得意先であるアメリカがタイトオイルを手にしたことで原油価格が下落したのです。とはいえタイトオイルを生産するにも原油が必要なので、全く不要になったというわけではありません

タイトオイルは今後も増産傾向にある

出典:U.S. energy information administration
出典:U.S. energy information administration

タイトオイルはアメリカ各地で採掘が可能です。2005年頃からタイトオイルの生産がはじまり2010年頃より急激に生産数が増加。2014年頃にはタイトオイルの増産により原油価格は大きく値を下げています。(上画像)

EIA(米国エネルギー情報局)の発表によるとアメリカのタイトオイルの生産量は今後も増加傾向にあるようで、アメリカの石油生産量の大半を占めることになるとされています。ただ2026年以降はタイトオイルの生産性は若干低下されることが予測されていてその後2040年までは一定水準を保つようです。(下画像)

この様に原油価格とタイトオイルは非常に密接な関係性であることが伺えます。例えば12月6日にトランプ大統領がOPECに対して原油を減産しないように要請したことが報道されたことで原油価格は下落しました。

原油1時間足チャート 期間12/6

減産しないということは原油価格の下落を招くものなので、大統領の発言は原油価格にとても大きな影響を与えていることになります。これら発言が可能になったのはタイトオイルの台頭あってのことではないでしょうか?

1日あたりの石油消費量の多い国ランキング

順位国名消費量(バレル/日量)
1位アメリカ19,880,000
2位中国12,799,000
3位インド4,690,000
4位日本3,988,000
5位サウジアラビア3,918,000
6位ロシア3,224,000
7位ブラジル3,017,000
8位韓国2,796,000
9位ドイツ2,447,000
10位カナダ2,428,000

※1バレルは約160ℓ
※2017年版

1日あたりの石油生産量の多い国ランキング

順位国名生産量(バレル/日量)
1位アメリカ13,057,000
2位サウジアラビア(O)11,951,000
3位ロシア11,257,000
4位イラン(O)4,982,000
5位カナダ4,831,000
6位イラク4,520,000
7位アラブ首長国連邦(O)3,935,000
8位中国3,846,000
9位クウェート(O)3,025,000
10位ブラジル(C)2,734,000

※1バレルは約160ℓ
※2017年版
※(O)は、OPEC加盟国
※(C)は、OPEC加盟候補国

上記表からも分かる様に原油を消費する国は経済大国アメリカや人口数世界一の中国が圧倒的です。ですので、アメリカや中国の経済が失速すると原油価格も下落する可能性がとても高いのです。また原油の使途で最も多いのが動力としての使用で全体の40%を占めています。これに関連する物流や空運、海運関連の会社の業績などにも左右されそうです。

石油消費量の多い国の経済・政治が失速

石油が溢れて原油価格が下落

石油生産量の多い国の経済・政治が失速

石油の供給が遅れることで価格が上昇

原油価格構成要素はOPECによる原油減産の締め付けとアメリカなどによるタイトオイルの増産の狭間、そして投機的な資金流入が原因と考えられます。しかし立場的にアメリカの方が1つ頭が抜けていることから今後も原油価格は下落基調にあると思われます。

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