詳しく学ぶ

米国VIのロスカット設定を間違えると大損する

CFD取引にはロスカットと呼ばれる強制決済ポイントがあり、そのポイントは人や証券会社によって異なります。またロスカット設定は金融商品ごとに異なる設定が必要です。そして今回お話するのはCFD投資で大人気の米国VIについてです。

  1. ロスカットとは?
    1. ロスカット設定には証拠金の増額が必要
    2. 35ドルで十分
    3. ロスカットレート21.06 → 35ドルに変更
    4. ロスカットレート21.06 → 50ドルに変更
  2. 最後に

ロスカットとは?

投資した金額以上の損失を投資家が被らないように一定の損失が発生した時点で投資家の意思とは関係なしに強制決済し損失を拡大させないようにする強制措置です。このロスカットがあるおかげで借金を背負うようなことにはなりませんが、米国VIの様な時間を掛ければ減価するという通常損失になることの方が珍しい金融商品でも想定外の場所で損失となる可能性があります。このことからメリットがリスクに変わる場合もあることを考えなければなりません。

BIDというのは売り注文を仕掛けるということです。上記写真の様に米国VIが上昇したと思い売りを行ってもその売った場所が天井であるかどうかは誰にも分からずその後も上昇する可能性もあれば自分が売った場所が最高値である場合も当然あります。

米国VIはS&P500が下落することで上昇しますが指数が再び上昇したり時間の経過によって米国VIの数値は下落し元の価格まで戻ってくる性質を持っています。極端な話ロスカット設定値を100以上に設定すれば(米国VIの過去最高値は72.80ドル)ロスカットせずにいずれ利益となる可能性が高いと言えます。

ロスカットは自由に設定が可能なので過去の上昇や現在置かれている状況などを見て想定される上昇値以上の価格でロスカット設定すれば利益を獲得する確率がぐんと上がることになります。

ロスカット設定には証拠金の増額が必要

試しにGMOクリック証券で米国VIを1枚(この日のレートで4,195円)BIDから注文しました。

赤い囲みを見てください。この時点でロスカットレートは21.06ドルが与えられました。この日米国VIを売った値は左隣にありますが19.15ドルです。現在の価格よりも1.91ドル上昇するとロスカットレートに接触して損してしまいます。仮に1.91ドル上昇すると約2,100円の損失となってしまい投資金の約半分を失ってしまいます。

そこでロスカットレートを変更することで21.06ドルに米国VIが上昇してもロスカットしない様に設定変更していきます。

赤い囲みではロスカットレートが現在の21.06から21.07に変更することの説明がされています。黄色い囲みにはロスカットレートを0.01上げた場合に必要な証拠金の金額が書かれています。10円プラスすればロスカットレートを0.01ドル上昇させられることが分かります。

ただ当然0.01ドルだけでは安心できません。ではリーマンショック時に上昇した米国VIの過去最高値72.80ドルにする場合どれだけの証拠金が必要か見ていきましょう。

72.80ドルまでロスカットレートを引き上げるには追加で約56,000円の証拠金が必要ということが分かりました。米国VIを1枚発注するのに必要な証拠金が約4,200円だったので13倍以上の証拠金が必要ということが分かります。

しかし投資金の14倍をロスカットレートに充てることが出来ればリーマンショック級の下落が起こっても損しないことが分かります。また今回約定した値は19.15ドルですが当然のことながら約定価格が高ければ高いほどロスカットレートの引き上げに必要な証拠金の金額も低下します。

35ドルで十分

リーマンショック級の下落は100年に1度と言われています。既にリーマンショックから10年が経過していますがこの先再び発生する確率は低いと言えます。低い確率に怯えるのではなく直近の指標を目安にする方が現実的ではないでしょうか?

リーマンショック時も含めた2004年から2019年までの米国VIのチャートですが、リーマンショックに次ぐ米国VIの上昇の大きさをピックアップしてみました。目立つ上昇は2011年10月に起きた46.30ドルの上昇と最近起きたNYダウ過去最大の下落による32.63ドルの上昇でした。

NYダウ過去最大の下落ではNYダウが1日で992ドルも下落しています。リーマンショックでは1日の下落幅は499ドルだったのでこの日の下落幅は相当なものだったことが想像できます。それでも米国VIの上昇は33ドル弱に留まったのです。

このことからロスカットレートの安全圏は35ドル程度だと言えます。それでもまだ損失が怖いという方はロスカットレートを47~50ドル程度まで上昇させれば十分ではないでしょうか?

それでは35ドルと50ドルまでロスカットレートを引き上げた場合の追加証拠金金額を見ていきましょう。

ロスカットレート21.06 → 35ドルに変更

ロスカットレートを約14ドル引き上げるのに必要な追加証拠金金額は約15,000円でした。投資金額の3.6倍分の証拠金をロスカットレートに回すことが出来ればNYダウ過去最大の下落級の経済事象が起こっても耐えられる計算になります。

ロスカットレート21.06 → 50ドルに変更

今度はより安全圏といえる50ドルにロスカットレートを変更した場合です。最初が21ドルなので約29ドル分の引き上げに伴う追加証拠金金額は約32,000円でした。

投資金の約8倍の資金を用意することが出来れば相当な下落にも耐えられるでしょう。

当然これらは米国VI1枚に対する証拠金金額の設定なので保有枚数が100枚、200枚と膨大な数になればその分証拠金の金額も増します。例えば150枚の米国VIを19.15ドルで発注した場合でロスカットレートを35ドルに設定したい場合は300万円ほどの資金を用意する必要があり、米国VIに約63万円で残りの約230万円はロスカットレートの引き上げに使用する必要があります。

即ち、米国VI投資においてロスカットレートに掛ける金額は投資金以上のお金が必要だということを頭に入れておいてください。最終的にプラスとなりましたが私は当初ここを間違えて一時50万円近い損失を米国VIで出したことがあります。くれぐれも気をつけてください。

最後に

いまお話した通り私は過去に米国VIで一時50万円近い損失を出してしまいました。その後100万円を超える利益を得たので最終損益はプラスで終えることが出来ましたが最初にロスカットレートの設定をしっかりと勉強しておけば損失しませんでした。

勉強代とするにはあまりにも大きい金額です。皆様はこうならないようにしてください。確かに投資金に資金を回せば利益は大きいですがロスカットレートの引き上げの方が利益獲得には重要であるということを今回の記事で知っていただければ私は十分だと思っています。

※参考※

ロスカットレートの引き上げに必要な証拠金金額の計算方法・・・ロスカットレートを0.1ドル引き上げるのに1ドル(1ドル×その時点でのドル円レート)が必要。

合わせて読みたい