先物オプション,詳しく学ぶ

先物オプションの証拠金総額を計算する方法【日経225OP】

本記事では先物オプションの生命線とも呼べる必要委託証拠金について執筆してあります。この必要委託証拠金を知らず先物オプションを取引してしまうと、ほぼ100%の確率で損失してしまいます。

本記事で学べる内容

➢ 必要委託証拠金の計算方法

➢ SPAN証拠金について

➢ Net Option Valueについて

先物オプション取引は日本ではまだまだマイナー投資です。しかしアメリカでは取引量が現物株並にあってメジャーな投資です。それ故、日本にはあまり参考文献はなく、和訳の無い英本がほとんどです。

筆者は留学経験を活かし、また会社員だった頃に猛勉強したことを今活かしています。その知識と経験で本記事を執筆しています。

著者Profile

大学を卒業後、金融機関の金融ディーラー職として採用。現物株から先物オプションまで幅広い金融商品を取扱い1日の運用金額は10億円を超える。その後転職し、大手ネット証券会社の富裕層コンサルティングを経験し、2018年にBuzzBullを開設。兼業投資家。

先物オプションについて

先物オプションは指数の権利売買を指します。日本では日経平均先物の他、TOPIXやJPX400などがありますがまだまだ需給が薄いです。その為、“先物オプション = 日経平均先物”という感覚を多くの投資家が持っています。

筆者は2018年4月から個人でも先物オプション取引を始め毎月20~50万円前後の利益を獲得しています。法人トレーダー時代を含めると6年以上の経験があります。

必要委託証拠金とは?

先物オプション取引は証拠金取引です。現物株の様に必要金額分を用意する必要はありません。極論、必要委託証拠金分の金額を用意すれば構いません。

ただこの必要委託証拠金が厄介です。解釈を間違えて大損している投資家を100人単位で見てきています。

まず前提として、必要委託証拠金は日々変動します。いま現在あなたの口座情報に載っている必要委託証拠金があればその金額よりも下がる可能性もあれば上がる可能性もあります。

これを知らない投資家が物凄く多いです。これが本当に危険ですし、「なんだ変動するのか」程度でなめている人も多いです。証拠金を制する投資家は先物オプションを制すると言っても全然過言ではありません。

とにかくめちゃくちゃ重要です。

必要委託証拠金の計算方法

SPAN証拠金とNet Option Valueを足した総額が必要委託証拠金になります。ただ何度も言いますが、どちらも変動します。更にNet Option Valueは無限大に上昇していく厄介なものです。

大事な部分なので赤字にしていますが、SPAN証拠金には約定前の発注状態も含まれます。つまり発注した瞬間に追証になる可能性もあるということです。(注文が弾かれる可能性もあります)

Net Option Valueは頭にマイナスが付いていますが、プラスに置き換えて計算してください。なぜマイナスが付いているかは後述に解説しています。(あんまり重要ではないです)

▼こちらは下の記事で詳細を書いていますが、GW前に建てたポジションです。コロナの2番底が少し怖いので一部利確してポジション総額は少額ですが、ほぼ100%利益です。(合計で+4万円くらいの利益、残り+2万円これは記事最後に写真貼ってます)

SPAN証拠金について

SPAN証拠金の説明はJPX(日本証券クリアリング機構)にかなり詳しく載っています。僕は目に穴が開く程読みましたが、わざと難しく書いているように見えます。

SPANとは?

SPAN証拠金はオプションを1枚保有するのに必要な金額です。そしてSPAN証拠金の総額は以下の計算方法によって算出できます。

単純にオプション1枚あたりの証拠金額が10万円で合計4枚のオプションを建てれば40万円がSPAN証拠金の総額となります。(Net Option Valueは別)

SPAN証拠金が変動することを何度も書いてきましたが、ではなぜ変動するのか?をこれより解説していきます。

SPAN証拠金が変動する要素

  • ボラティリティの変動
  • 原資産の騰落
  • 需給
  • Time Decayの減少

他にも金利などがありますが、ほとんど意味がありません。電卓の隣にそろばんが置いてある程度の影響度です。

上記の4つは影響度が高いものから書いています。最も影響度の大きいボラティリティの変動はとても重要な部分です。「ボラティリティの変動」をなめて掛かると数日で資産の半分以上飛んでいきます。

ボラティリティの変動

日経平均先物、~5/1迄の日足データ

上記チャートをご覧ください。直近の約3週間は騰落を繰り返しながらも徐々に徐々に上昇していましたね。日経平均先物が2万に近づくと反落し、19,000を割り込もうとすると上昇し、4月末に2万円を超えて翌営業日に800円程下落しました。

これ例えば3週間前にプットオプション(銘柄は何でも良い)をショートしていたとすると、一応3週間前の価格よりも原資産は上昇しているので、利益が残っていると思いますよね?

しかし、マイナスが出てしまいます。

なぜか?

1日たりとも2万円を維持できなかった失望感とこれまでよりも大きい下落からの警戒感ボラティリティが急上昇した為です。

つまり未来への不安感からマイナスに転じたのです。しかしこれが先物だったらまだ利益が残っているところです。ここがオプションの怖い部分です。

しかし筆者は利益が残っています。これには理由がありますが、いまは少し難しいのでもう少し後で理由を掲載します。(先ほどの証拠金の写真、Net Option Valueから利益が残っているかどうかの大体の予測を立てることができます)

原資産の騰落

原資産は日経平均先物のことです。他にもTOPIXなどがありますが、ほとんど取引する機会はないです。(この2~3年でだいぶ需給は増えましたがまだ利益を追求するレベルではない)

ボラティリティ同様に重要ですが、こちらはボラティリティと一緒にくっついて動くものなので小さな変動には意識を向けなくても大丈夫です。

これはショート(新規売り建て)した場合に意識を向ける計算方法ですが、原資産価格から権利行使価格を引いた金額に40~50%を掛けた金額分の下落があるとSPAN証拠金の金額は大きく上昇します。

実際に1枚のオプションを新規売りする際にこれだけSPAN価格に差が開いてきます。上の645,000円も41,000円になり得ますし、41,000円も645,000円になり得るのです。そして、更に上もあるんです。

需給について

正直、2020年5月の現時点ではあまり意識しなくてもいい問題だと思っています。というのも現状、市場参加者がほとんどおらず、大体は外国人投資家かアルゴリズムです。

BuzzBullが流行って先物オプション市場は盛況になれば良いのですが・・・。

ただコロナウィルスの影響で大きく株価が下落したときには物凄い取引量が増えて高騰した覚えがあります。

今は“需給も影響があるんだな”程度でいいでしょう。将来的なものですね。

Time Decayについて

筆者が投資家に先物オプションのTime Decay(タイムディケイ)を教えるときによく使う質問文があります。それが、

「明日の株価と来月の株価どちらが当てるの難しいですか?」

です。

経済情報番組でアナリストが来年の株価予想を行う光景が年末の風物詩となっていますが、これをピタリと当てる人はいません。(ニトリの会長はニアピン率が高いですが、近年では外しています)

しかし明日の株価を当てる人は結構多いんです。ドンピシャで当てる人も毎日の様にいます。

Time Decayというのは時間の経過という意味です。オプションの満期日までの残存日数が少なくなればなるほど将来の株価予想が立てやすい。それはイコール、オプションで儲けやすいことに直結することからオプション価格に変化をもたらすのです。

Reference: https://www.rosencapital.com/option-time-decay/

Time Decayは上記写真の様に放物線状に描きながら最後に急降下する性質をもっています。残存日数が90日と60日では大した差はありませんが、30日と10日では物凄く差が生じるのです。

ただ、「ボラティリティの変動」でも触れましたが満期日まで残り日数が少なくてもボラティリティが大きく変動することでTime Decayも意味をもたなくなってしまうこともしばしばあります。

あまりここに期待を寄せすぎないように注意してください。

Net Option Valueについて

最後がネットオプションバリューの解説です。

これはいま決済すると発生する損益の金額が掲載されています。

かといって必ずしもマイナスではありません。上記は-8,000円となっていますね。これはいま決済すると-8,000円の実現損失が発生することを意味しています。

しかし建玉時の平均単価は5円で、現在値は2円です。合計4枚保有しているので、

(5 – 2) × 4 = 12,000円の評価利益

が利益として発生しています。ただオプションは新規売りした段階で利益の総額を貰っているんですね。つまり

5×4 = 20,000円の利益

が既に発生しており、残り分を決済すると

2×4×1,000円 = 8,000円

の損失が発生する様になっています。

簡単に考えると、Net Option Valueは決済すると発生する損益のことです。

重要です!

必要委託証拠金は先物オプション取引では欠かせない重要な要素の1つです。他にも重要な要素は2つあります。それが「価格分析方法」と「投資戦略の知識」です。下記リンクから2つの記事を読むことが出来ます。

これから先物オプション取引を始めようと考えている方は必読です。特にこれら3つはどれも本当に重要です。何度も繰り返し読むことでしっかりと落とし込んで理解してください。

BuzzBull Report【無料】

毎月1日に先物オプションの運用レポートを発行しています。この運用レポートにはオプション銘柄が載っており、レポート通りに売買するだけで誰でも簡単に資産運用が可能になっています。

完全無料で会員登録も不要なのでお気軽にご利用ください!

合わせて読みたい