詳しく学ぶ

先物オプションの証拠金について

本章では先物オプション取引を行うに欠かすことの出来ない証拠金について詳しく解説しています。オプション取引は証券会社の運用部でもトップディーラーしか行うことの出来ない高難易度の取引です。その為か情報が少ないことからあまり理解せずに取引してしまっている人も少なくないのではないでしょうか?

十分な理解の無いままにオプション取引を行うのはダイナマイトを腰に巻いて火災現場に飛び込む様なものです。誰が見ても危険な行為ですので絶対に止めましょう。

証拠金について

証拠金とは 先物オプション取引では証拠金と呼ばれるいわゆる担保金を証券会社に提示してその提示した金額に応じた取引を行うことが出来ます。証拠金(担保金)が少ないと十分な取引が行えません。 証拠金 < 取引量 になってしまうと追証が発生してしまいます。

証拠金にはいくつか種類があります。

  • SPAN証拠金
  • 当社Net Option Value
  • 必要委託証拠金
  • 維持証拠金

それぞれの意味をよく理解してExcel等で自己管理を行わないといけません。 筆者はSBI証券を使用していますが、証券会社がこの全てを管理することは無く、総額表示に留まります。(当然と言えば当然ですが…)

追証とは?

証拠金オーバーになると追証(おいしょう)が発生してしまいます。追証は緊急事態でこれを即日解消しないとポジションが強制決済されてしまう他、今後の新規取引も行うことが出来ません。追証は例え利益が出ていても発生してしまうので必ずしも追証=損失ではありません。

追証が発生した場合、その日の15時までに指定された金額を追加入金しなければ強制決済されてしまいます。入金及び振替に時間が掛かるので、実際には12時頃までには入金しなければなりません。

追証にならない様に上手く資金調整しながらポジションを持たなければなりませんが、思わぬ相場展開によりIVが変動してしまうと当初見込んでいた証拠金よりも多い金額が突如として発生する場合もあります。

それでは各証拠金の種類について解説していきます。

SPAN証拠金

SPAN(スパン)証拠金とは、冒頭で説明した担保金のことです。オプションを1枚保有する際に必要な金額のことで、日々変動します。この変動した金額も常に証拠金に含まれるので、最大変動幅を考えてその金額で保有していきましょう。

※正式には Standard Portfolio Analysis of Riskの略でCMEが1988年に開発した証拠金計算システムの略

SPAN証拠金の金額はSBI証券のSPANシミュレータ(PC)で計算が可能ですが、その日その時点でのSPAN証拠金のみとなります。

大雑把ですが、コールを1枚ショートするのに必要なSPAN証拠金の最大値は100万円程度で、プットを1枚ショートするのに必要なSPAN証拠金は最大50万円程度と覚えておくのも良いと思います。

とにかく証拠金は多ければ多いほど追証リスクは減ります。慣れない内は200~300万円の資金量で1~2枚を限界に建てていくと良いでしょう。

但し、ショートポジションのみならずロングポジションを同時に保有することで必要なSPAN証拠金量は大幅に軽減されます。(同時に利益も大幅にカットされます)これについてはまた別記事で解説しておきます。

当社Net Option Value

Net Option Value(ネットオプションバリュー)とは呼んで字の如く、オプション1枚の価値を意味しています。この価値にはオプションの現在値で判定されるので、例えばコールオプションを1枚50円でショートした時に50,000円の利益を獲得すると当社Net Option Valueは-50,000円になります。しかしその後、原資産が高騰し1枚80円になるとNet Option Valueは-80,000円に変化します。

ネットオプションバリューは数字の頭にマイナスが付いているので、SPAN証拠金からマイナスされるものだと勘違いしてしまいがちですが、SPAN証拠金に加算されて次の維持証拠金に繋がってきます。

私も最初はここを勘違いしてしまい毎月の様に追証が発生してしまいました。 その都度ヒーヒー言いながら資金調達を行い入金していた為、ここは非常に大事なところです。

委託(維持)証拠金

委託証拠金と維持証拠金は大差無いので一緒に考えても構いません。筆者はポジションを維持する為に必要な証拠金として計算するので維持証拠金を意識して資金管理しています。

維持証拠金 = SPAN証拠金 + 当社Net Option Value

上記の計算式で管理していきましょう。オプション1枚を取得及び維持するのに必要な証拠金(IVなどの変動により変化)とオプションの現在価格の合計です。

例えば、2020年6限月のコールオプション1枚50円をショートするのに必要な証拠金が800,000円だった場合の維持証拠金額は、

850,000円 = 800,000円 + 50,000円

となります。またSPAN証拠金である800,000円も、当社Net Option Valueである50,000円も毎日変動することに留意しましょう。

最後に

先物オプション取引を行う場合、証拠金についての知識を深めるだけで運用効率は各段に向上します。あまり情報として流通していませんが、300万円程用意することが出来れば1枚、2枚で実践トレードしてみてそこで勉強してもいいかもしれません。

経験上、300万円あればコールでもプットでもショートポジション1枚だけで追証になることは極めて稀なことです。※必ず追証が発生しないわけではありません。

合わせて読みたい