デルタを制するものは先物オプションを制する

この記事では先物オプション取引に関するデルタについて説明しています。先物オプション取引をこれから始める方には必須となる内容です。デルタ調整が上手くなると損失する確率が大幅に減ります。実際、筆者が金融機関のプロップトレーダーに就職した際にデルタの勉強が最も重要だと教えられ、完全に理解そして使いこなせるようになるまでに1年ぐらい掛かりました。簡単に見えて奥が深いですが、習得後は永遠の財産になるので頑張ってください。
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BuzzBullレポート
BuzzBullでは週刊価格3,980円で電子書籍を販売しております。電子書籍の内容は各情報機関から取得できるデータを纏めて解析した結果で、日経平均先物価格の直近の狭域レンジと広域レンジが参考程度に取得できます。狭域レンジと広域レンジが分かるとオプショントレードに役立つ為、是非1度お買い求めください。
目次
- デルタとは?
- デルタを調整するとどうなる?
- デルタを調整する意味
- コールオプション
- プットオプション
- デルタの調べ方
- 先物オプション取引で儲ける為には
- 全ての情報は無料で取得できる!
- BuzzBullレポート【再】
- まとめ
- 先物が上昇することでコールのデルタも上昇する為
- 上の理由からオプションが外れると回収不能レベルで損失する為
- 狭域レンジの下限値を下回った段階で損切り
- 狭域レンジの下限値を下回った段階でプット売り×先物売りをデルタ+で調整する
- プットオプションの新規売り×先物の新規売り = デルタ+0.3~+0.5で構築
- 先物が29,800円に到達したら先物の新規売りを1枚追加、その後100円刻みで1枚追加
- 分析済の狭域レンジ情報
- 分析済の広域レンジ情報
- 各オプションのデルタ情報
- 分析済の先物情報
- 分析前の機関投資家手口情報
デルタとは?
先物の価格変動と相関して変動するオプションの値を数値化したものです。日経平均先物価格の場合、先物ラージのデルタは1.0で、先物ミニのデルタは0.1でこれは固定されます。そしてプットオプションやコールオプションにもデルタが付与されていてこれらは日経平均先物価格が変動したり、Time Decay(時間的価値の減耗)が進むと変化します。
先物の買いはプラス(正)の値で表示され、先物の売りはマイナス(負)の値で表示されます。同様に、コールオプションとプットオプションにもデルタの条件があり、日経平均先物価格が上昇すると良い方向に進む条件ではプラスで表示され、反対に、日経平均先物価格が下落すると良い方向に進む条件ではマイナスで表示されます。下の表にまとめておきました。
超重要 | 買い | 売り |
先物 | プラス(正) | マイナス(負) |
コールオプション | プラス(正) | マイナス(負) |
プットオプション | マイナス(負) | プラス(正) |
この表はとにかく重要なので必ず覚えてください。覚えられない場合はスクショして発注前に必ず確認するなりしてください。
デルタを調整するとどうなる?
話の続きですが、コールオプションやプットオプションにもデルタが与えられています。ただこれらは常に変動しており一律ではありません。
例えば、先物miniを20枚新規買いすると、デルタは
0.1 × 20 = +2.00
と、なるのでデルタの値は+2.00になります。そして負のデルタを持つプットオプションの新規買いやコールオプションの新規売りでこのデルタを調整させます。
仮に、コールオプションのデルタが-0.5だった場合、先ほどの先物20枚とのデルタを相殺させて±0の状態にするにはコールオプションを4枚売る必要があります。
-0.5 × 4 = -2.00
先物価格が1日で300円上昇すると、先ほどの先物miniでは20枚保有しているので60万円儲かりますが、コールオプションの新規売りでは60万円の評価損失となってしまい、相殺されて評価損益はゼロになります。
但し、300円の先物価格が上昇する過程でコールオプションのデルタは増加するので、実際は数万円の評価損となります。(恐らく2~4万の損失)
デルタを調整する意味
多くの場合、これを知ると「だったら最初から少ない量の先物を売買すれば売買手数料も安く済むし、必要証拠金の金額も少なく済むじゃないか」と反論してきます。その気持ちも分かりますが、ハッキリ言ってそれはまだ先物オプション取引の優位性を知らないのだと思います。
同限月の先物miniを買ったり売ったりするだけでも実は意味があります。この場合、少額分(数百円)の騰落後に大きく方向転換するような相場では非常に有効だったりします。この辺りはデイトレーダーの分野になってきますが、全く意味が無いという事ではありません。
そしてサラリーマンの方や主婦の方で相場を眺める時間が少ない方の場合、オプションのTime Decayを用いた減耗がプラスに働きます。
但し、最初に注意しておくと、オプションは爆弾だと思ってください。扱い方を間違えると破産級に損失します。でも扱い方を正しく理解すると、強力な武器になります。多くの場合は勘違いから過信します。「もう完全に熟知した」と思って調子に乗ると足元をすくわれるので2~3年オプションを扱ったからといって調子に乗らないようにしましょう。実際、10年以上オプションを取引していて数千万円以上の利益をあげている筆者でさえまだオプショントレードは怖いです。
本題に戻します。まずはこれを理解しましょう。
新規買い | 新規売り | 特徴 | |
コールオプション | 価格が上昇すると利益 | 価格が下落すると利益 | 証拠金額が高い |
プットオプション | 価格が下落すると利益 | 価格が上昇すると利益 | 証拠金額が安い |
先物 | 価格が上昇すると利益 | 価格が下落すると利益 | デルタが不動 |
コールオプション
コールオプションはプットオプションに比べてアットザマネーからアウトオブザマネーに対する距離の割には価格も少額で減額率も少ないです。その為、新規買いには有利ですが新規売りにはやや不利に働きます。これは価格の上昇率が要因です。先物価格は急騰することが珍しく、急落することは多い為、このような価格に落ち着きます。その為、
コールオプションの新規買い × 先物売り
の戦略が有効です。ただタイミングとしては例えば米国大統領選挙や中央銀行の政策発表の様に1日もっと言えば瞬間的に価格が急騰落するような場面でこの戦略は使用されます。反対に、
コールオプションの新規売り × 先物買い
の戦略はよく使用します。どちらにデルタを調整するかによりますが、筆者の経験上、株価が一定金額上昇する際に使用します。例えば現在の日経平均先物価格が30,000円だとして、広域レンジが31,000円が上限値の場合、32,500円~33,000円のコールオプションを売って、先物を買います。この時のデルタはプラスでスタートさせます。
この様な場合、日経平均先物価格が31,000円まで上昇すれば先物ではミニを1枚買っていても10万円もうかりますし、コールオプションの売りでも数万円儲かります。更には性質が逆なので証拠金のヘッジにも繋がり安価で発注可能です。
なぜデルタをプラスでスタートさせるかですが、下記の理由があります。
この場合、損失する条件としてはコールオプションの新規売りで得られる利益以上に先物価格が下落した場合です。
損失する場面では
広域レンジの上限値を見てコールオプションの新規売りを図り、そのコールオプションに合わせて先物を買う訳ですが、想定を外し、先物が下落してしまった場合は以下のいずれかを選択します。
損切りする勇気も時には重要ですが、ピンチをチャンスに変えたい人は下の新規戦略を構築させるのも手です。ただこれはかなりテクニカルな戦略になるのでBuzzBullコンサルを受講済みの方で挑戦してみたい方はお問い合わせください。お問い合わせの場合、狭域レンジと広域レンジの数値を教えてください。BuzzBullレポートの数値でもいいですし、ご自身で分析した数値でも構いません。その数値を基に話を進めさせていただきます。
プットオプション
プットオプションはコールオプションに比べてアットザマネーからアウトオブザマネーに対する距離も長く、価格も高額です。故に新規売りには有利ですが、新規買いには不利に働きます。但しSPAN証拠金の変動値も高いので安易な新規売りは破滅に繋がります。ご注意ください。
プットオプションの新規買い × 先物の買い
正直、この戦略は使いません。10年以上も先物オプション取引をしてきて実際に使ったのは恐らく1~2回です。全然記憶にありません。先物の買いでは、先物はそもそもそんなに上昇は長く続かないですし、プットオプションの新規買いは大きく下落したり瞬間的に暴落すれば利益になりますが、筆者の場合、そういう時は先物の単独売りで勝負することが多く、この戦略を使うことはほぼ無いです。
プットオプションの新規売り × 先物の売り
岸田政権になってからは100兆円も株式市場から消えるなど市場にはネガティブに働いているので、最近はよく使用している気がします。実際、今も使用しているので貼っておきます。

コロナの影響でゼロ金利となったツケを返す為に金利が上がってきます。金利が上昇すると株式市場にはネガティブなので2022年は結構この戦略を多用すると思います。(たぶん)
一応、上記のポジションでは1ヶ月半の利益で200~300万ぐらいを想定しています。(運用資金は2600万です)
BuzzBullコンサルでは完全無料でやり方を対面もしくはリモートでレクチャーしているので、冒頭に戻ってお問い合わせフォームにお進みください。対面は名古屋市に限定されますが、他県でも構いません。その場合、出張費だけ請求させていただきます。
デルタの調べ方
デルタはSBI証券の先物オプションアプリHYPER SBIから調べることができます。
※注意※株式版アプリも名前がHYPER SBIです!間違えないようにしましょう!



デルタは毎日変動するので自分が保有しているデルタは毎日2~3回はチェックしましょう。慣れれば30秒もあれば調べることができるのでトイレに入って座っている時にチェックする習慣を付けましょう。
先物オプション取引で儲ける為には
ズバリ、狭域レンジと広域レンジを把握することです。先物やオプションを売買する前に必ず想定レンジや先物の動向をシミュレーションしましょう。この辺は景気ウォッチャー調査とJPXの機関投資家情報でおおよそ予測が立てられます。これらは無料で取得できるので、時間に余裕のある人は各々で調べましょう。また有料にはなりますが、BuzzBullレポートにも書いてあります。分析がめんどくさい人にはいいと思います。
例えば狭域レンジと広域レンジ、そして先物手口を見ると直近の動きが上昇に強いのか、下落に強いのかがある程度分かります。ある程度なので、確実ではないですが、丁半博打で挑むよりも成功率は高いでしょう。例えばこんな感じです。
狭域レンジ:29,000円~30,200円
広域レンジ:28,000円~31,000円
現在の先物価格:29,300円
分析結果≪一端、30,000円まで上昇するもその後下落。29,000円を割れるが28,900円程度で反発。最終的には29,500円で終着するだろう≫
と、先物価格の仮説を立てたら
で終わりです。あとは満期を迎えての自動決済を狙うか、仕事をしていない人でスマホやパソコンに貼り付ける人なら29,000円割れぐらいで新規売りしていた先物の売りを決済してコールオプションの新規売りに切り替えてのヘッジでもいいです。が、この辺はやっぱり難しいので慣れてきたらでいいと思います。
全ての情報は無料で取得できる!
今回ご紹介した内容は時間さえ掛ければ全て無料で取得可能なものばかりです。実際、筆者は毎日4~5時間掛けて情報を収集して分析しています。10年ぐらい続けていると慣れるというよりもやらないとソワソワするぐらいです。
一応、リンクを貼っておきます。正直、平日は毎日5時間も時間が潰れるし、分析する時間帯も17時~22時とほぼ固定されているのでプライベートが丸潰れする可能性もあります。(1日でも欠かしてしまうと意味を持ちません)ですので、覚悟を持ってください・・・。

BuzzBullレポート【再】
BuzzBullレポートには以下に情報が掲載されています。
情報取得から分析に掛かるまでの約5時間を省くことができるのでオススメです。
まとめ
デルタ調整はとても重要です。特に最初の戦略を構築させるときにデルタをプラスにするのか?マイナスにするのか?どれだけプラスにするのか?どれだけマイナスにするのか?いくつ価格が変動したらデルタをどれだけ調整するのか等は狭域レンジと広域レンジを知らないと何とも言えません。
この辺は、先物取引を実践していくうちに慣らしていく必要があると思います。(付きっきりで教えることもできないので)またはBuzzBullコンサルティングでは直近の動きを例にして教えることは可能ですので、1度説明だけでも興味があればお問い合わせください。